母、父親を語る

母の父親、つまり私の母方の祖父の話です。
今回ではなく、2〜3ヶ月前に聞きました。

目元がやさしいとってもハンサムな人でした。
祖父に似たかったなあ・・・

祖父の実家は私の実家のある地方都市の◯◯町一帯の土地をほとんど持っていたほどの
お金持ちで材木屋さんでした。
ところが祖父の母親の着道楽があまりにも過ぎて
(そればかりではないと思いますが、祖父はそう言っていたそうです)
倒産してしまいました。
祖父は7才で東京に丁稚奉公に出されました。

奉公先では酷い扱いで、
冷たくなって硬くなった何日も前のご飯や腐ったようなものばかり食べさせられ
仕事もずいぶん辛かったようです。
「こんなに辛いならもう死にたい」と思い
「ドブ川の水を飲んだら赤痢になって死ぬんじゃないか」と飲んでみましたが
なんともありませんでした。
「今度はここの水を飲んだらコレラになって死ぬんじゃないか」と
もう一度試しましたが死にませんでした。

初めの仕事先を出てうろうろしていたら親切な人に拾われ
その人は割り箸屋で
そこの仕事をするようになったそうです。
そこで読み書きそろばんを教えてもらいました。
真面目に働くうちに少しずつ食べ物がよくなってきて
待遇も徐々に徐々によくなってきました。
待遇が良くなるたびに
「こんなに良くしてくれるなんておかしい。いよいよ追い出されるんでないか?」と
思ったそうです。
でもそんなことはなく、何年も働くうちに日本橋の店長になりました。
そのあとも真面目に働いていたらきっと社長さんになったのでしょうが(だそうです)
すっかり天狗になり、人力車を乗り回し、女郎を買い、贅沢三昧をしてしまいました。

クビになったのか辞めたのかわかりませんが
兄とともに故郷に帰って材木屋を始めましたが
とにかくお人好し。
人の話は全部信じる。
儲け話には必ず乗る。
何度も何度も騙されたそうです。
大儲けのはずが相手方にだけ利益が行ってしまい
自分の手元に経費が残ればまだいい方。
それでもなんとかやってきて、
結婚式の朝はじめて会った という嫁をもらい(私の祖母です)
子供が生まれました。
祖母は自分の夫があまりにもお人好しで人をすぐ信じ騙されるのは
学がないからだ。。と言って自分の子どもには高い教育を受けさせようと
今でいう教育ママに徹していたそうです。
長女である私の母のことを女子大の英文科に入れると言って張り切っていましたが
小学生の頃までは優等生だった母は中学からは勉強が大嫌い。
(厳しすぎて嫌いになったのかな?)
弟妹たちもなかなか祖母の思うようには行きませんでした(^^)

私が幼かった頃、母方の実家は大工さんで何人かの人が働いていました。
下宿屋もやっていました。
祖父は自分がお酒を飲まないので
「親方は酒のみに理解がない」と言われるのを恐れ?
職人さんたちには飲み放題に飲ませていたそうで。
下宿屋からの定期収入は無くてはならないものだったんでしょう。

一方では母親の着道楽がよほど身にこたえたのか
「着物なんか買うもんでない」といって
お人好しでも、使用人に浴びるほど酒を飲ませても
奥さんには着物の一つも買ってやらなかったようです。

私はやさしくソフトな祖父の語り口が好きでした。
そして今思えば確かに「東京の人」みたいな喋り方をしていました。
ずっと地元にいた人はあんな話し方しないもん。

最後は結核で7年間の闘病の末に亡くなりました。
大好きなおじいちゃんだったけど、東京へ行っていた話は初めて聞きました。
なんと父も知らなかったそうです。
母初めて言った? のでしょうね。そのことにもびっくり。
でも意外とそんなものなのかな?


一昨年は父方の祖父の人物像を母から聞きました→ 母愚痴を言う
こういう話をしたり聞いたりするのも
80代の親と60代の娘という今だからこそかな。
若い頃は言う気持ちもなかっただろうし、
言われてもろくに聞かなかったかも。

もう亡くなった人。
だけどいつも私のそばにいてくれる人です。 
供養の気持ちもこめてここに記します。



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コメント

非公開コメント

No title

小説みたいで面白かったです。
昔の人は、どんな事があっても生きていけたんですね。
今は挫折したらすぐだダメになってしまう。

ステキなおじい様ですね。

No title

この記事も、母愚痴をいうももう一度じっくり読ませていただきました。

うんうんとあれこれうなずきながら・・・

私も今になってどうしてもっと両親に昔のことを聞いておかなかったのかと後悔しています。
母方の祖父、父方の祖母は私が生まれる前に亡くなり、父方の祖母など写真を見たこともお墓まいりをしたことさえなかったです。

両親の事はそれなりに知っていますが祖父母やその親の世代の話まではしらないですものね。

今の間にいろんなことを聞いておいてくださいね。

くーねるさん へ

コメントありうがとうございます。

「時代」が変わると人も変わっていきますね。
昔の方が実は選択肢が多かったのかも。
今は固定化されてしまうので、型にはまった生き方しかできなくなっているのかもしれませんね。

拾ってくれた割り箸やさんがいい人で良かった(笑)

かずちゃんさん へ

コメントありがとうございます。

母の愚痴の記事の時の体重がうらめしい(笑)
聞いてびっくりの話が飛び出してきます。
事実は小説よりも奇なり、と言いますが
平凡に見える人生でもかならずエピソードがあるものですね。
子供が見る人物像と大人が見るのとではまた違いますし。。。
若い頃と違って昔話がすんなり耳に入ってきます。今のうちにたくさん聞いておこうと思っています。